真剣十代しゃべりBar
薔薇百合菊梅・作楽遊希
薔薇百合 菊梅 | 「真剣十代しゃべりBar」開店。 |
作楽遊希 | テーマは「大人になるってどうよ?」 |
薔薇百合 菊梅 | おっとマスター、酒じゃなくコーヒーさ。十代だからね。 |
作楽遊希 | コーヒー苦いから……ミルクも一緒にお願いします。 |
薔薇百合 菊梅 | 御贈りしますは……薔薇百合菊梅と |
作楽遊希 | 作楽遊希です。 |
薔薇百合 菊梅 (以下 薔薇百合) | さて、始まったわけですね。 |
作楽遊希 (以下 作楽) | 始まりましたね。……基本的に他力本願。今回も薔薇百合さんに頼らせていただきます。 |
薔薇百合 | ではお姉さまをリードしていきたいと思います。 |
作楽 | ……と、年だけなら一緒なのにっ! |
薔薇百合 | ふふふ。 |
薔薇百合 | 私らはRhapsody In Blueの十代二人組というわけで子供と大人の狭間から、大人になることについて対談していこうというのです。 |
作楽 | 今回の対談企画、ダブルで十代は……ここだけ?(←怪しい) |
薔薇百合 | 祭樹・黒島ペアがはっきりしないのですよねぇ |
作楽 | そうなのです。うーん、どうなんだろう。 |
薔薇百合 | ま、そこは横に置いておきまして。 では早速……というには十分に前フリを行いましたが、いきましょうか。 |
作楽 | お願いしますー。 |
1.大人に対するイメージ | |
薔薇百合 | 何よりお金も持っている(笑)。 |
作楽 | あ。それはある(笑) |
薔薇百合 | 私達「子供」にできないことをすべてできてしまうのが「おとな」だったわけですね |
作楽 | そうです、そうです。 |
薔薇百合 | あとは、「正しい」っていうイメージがなかったでもないような。 |
作楽 | あ。それもありました。最終的にはおとなの言う事に従うのが常だったり。おとなが言うなら間違いはないだろう!的な感じで。 |
薔薇百合 | いわゆる、「先生にきこう」ですよね |
作楽 | それです。 |
薔薇百合 | まあ、大人に対するイメージはこんなものですか。 |
作楽 | そう、ですね。 |
薔薇百合 | あら不思議、「子供のときの大人に対するイメージ」っぽくなりましたね |
作楽 | あ……ほんとだ。 |
薔薇百合 | とはいっても、今はすでに大人になりかけているのだから小さいときのイメージを挙げるしかないので当然ですか |
作楽 | こう、一番素直な時?における「大人」の存在は大きかったですしね。 |
薔薇百合 | いかにも。 |
作楽 | じゃあ、「今」の大人に対するイメージは? |
薔薇百合 | そうですね……人にもよりますが、「尊敬」のようなものを感じるようになったかもしれません。 |
作楽 | なるほどー。じゃあ私とは逆かな。 |
薔薇百合 | つまり、株が下がったと? |
作楽 | 率直にいってしまえば、そうですね。 |
薔薇百合 | なるほど。 |
作楽 | もちろん、尊敬を感じる人もたくさんいるけれど……逆のパターンの方が多いです。 |
薔薇百合 | そうやって大人に対するイメージが変わったのは、なにより私たち自身が大人に近づいたからであります。 |
薔薇百合 | ならば、次はそんな、自分の変化について語りましょうか。 |
作楽 | そうしましょう。 |
2.子ども→大人での変化 | |
薔薇百合 | お姉さまからの絶妙なバトンパスを受け、さて次のトピックス。 |
作楽 | 無茶をいわないで下さい(笑) |
薔薇百合 | (……微妙な間……) |
作楽 | ……そうですね。 心理面での変化が一番大きいのではないでしょうか? |
薔薇百合 | メンタルですか。 |
作楽 | はい。私個人としては、年を重ねたから「大人」じゃないなぁ、と。やたら反抗的な思考回路に陥ってます。 |
薔薇百合 | おそらくそれは誰もが思うことでしょうね。 確かに私らは子供から脱し、大人へ加わろうとしているわけですが。そこには肉体は無論、精神で大きな成長も必要と。 |
作楽 | かといって、「就職」「社会人」「大人」「義務」「責任」他もろもろな現実を突きつけられると「子ども」に逃げてしまったり。 |
薔薇百合 | 当然そう考えるようになったって事はいろいろ変化があったわけですね。 まず、子供→大人の過程で自分に起きた変化といえば、何だと思いますか。 |
作楽 | ……電車賃やら入場料やらが値上がりしてしまった?(笑) |
薔薇百合 | 確かに明確な変化ですね(笑) |
作楽 | こう「自分」を考える事が増えましたね。(わかりにくいなぁ) 薔薇百合さんはどうですか? |
薔薇百合 | 私は、なにより客観性が身についたと思っています。 |
作楽 | おぉ。それはなぜ? |
薔薇百合 | やはり、多くは学校生活においてですが自分の意見だけが全てではないですからね。 さっき、子供のときは大人の言うことを全面的に首肯してきたと言いましたが、その後、自分の意見を半ば強引に主張する年代があったと思います。いわゆる反抗期というやつだと思うんですが。 |
作楽 | きっと誰もが通る道、ですよね。 |
薔薇百合 | そこからさらに年とともに経験を積むことで前者二つの中庸、とでもいえるゾーンにきたんじゃないかと。 |
作楽 | なるほどー。 |
薔薇百合 | 自他のバランスをとるようなったってところですか。 |
薔薇百合 | さて一方。 |
薔薇百合 | そちらが挙げた「自分を考える」、とは? |
作楽 | (むぅ。うまく逃げたと思ったのに 笑) |
薔薇百合 | (進行上そうはいきませぬよ) |
作楽 | (見逃してくれてもっ!) |
作楽 | ……そう、ですね。 「自分はどうしたいか」を考えるようになった、という辺りでしょうか。 |
薔薇百合 | どうしたいかですか。 |
作楽 | 人に頼ってばかりはいられない。だったら、私は何をしよう、と。そして、私に何が出来るだろう、と。 「就職」の二文字が近づくにつれて、いままで当たり前だと感じていた「生活」がいかに厳しく、難しく、大変なのかをひしひしと感じるようになったので。そういう意味では「生活」している「大人」がすごいなぁ、と尊敬しますね。 |
薔薇百合 | なぁるほど。 |
作楽 | それでも……電車内で電話している大人をみると、「大人って……」と思ってしますけど。 そういう意味では「子ども」だなぁとも思いますね。まだまだ反抗期、真っ只中です。 |
薔薇百合 | おそらく、大部分あるいは誰もが子供→大人の「→」の部分にあるのかもしれませんよ |
作楽 | なるほどー。それは確かに。 |
薔薇百合 | とはいっても矢印である以上、目指すところはあるわけで。 もしいずれ「大人」になるなら、進行途中の私らはどんな「大人」を目指す、あるいは目指すべきなのでしょう。 |
薔薇百合 | 次はそこんところを訊いていきたいと、思います。 |
3.どんな大人になりたいか | |
薔薇百合 | ちゃんと話題どおりに話せているか心配でなりませんが、もしできていなければまだ「子供」なのだと嘲笑してください。 |
作楽 | いいのです。「子ども」のやることなのです。(いいのか?) |
薔薇百合 | この対談を見ている、ディスプレイの向こうのアナタに言っているのですよ! |
作楽 | さらっと流せる貴方はきっと「大人」なのかもしれないです! |
薔薇百合 | と、読者にも意識を向けつつ、最後の項目となりましたね。 |
作楽 | 大詰めですねー。 |
薔薇百合 | 大詰めです。 |
作楽 | 薔薇百合さんはどんな「大人」になりたいですか? |
薔薇百合 | 私は一口に言えば「自分に自信と誇りを持てる大人」だと思います。 |
作楽 | なんだか格好良いですね。 |
薔薇百合 | 格好つけて言ってみましたからね。 つまり、自分がやっていること、やってきたことを自信と誇りを持って言えるといいますか。 |
作楽 | 確かに、そんな大人はすごく格好良い人だと思います。 |
薔薇百合 | 自らの意思で少なくとも自分にとって正しいことをやってきたと、後々になって思えるかといいましょうかね。 |
作楽 | 自分にとって正しい事、いいですね。 |
薔薇百合 | 私にとって大人は格好良いものですから。 |
作楽 | 素敵です。 |
薔薇百合 | 当然、完全に果たせるとは思えません。 しかし、それが私の「理想の大人像」ですから。 |
作楽 | その理想に自信と誇りをもって目指せれば、きっと素敵な「大人」になれると思うのです。 |
薔薇百合 | 理想は抱き追うものですしね。 |
作楽 | なかなか深い事をおっしゃる。 |
薔薇百合 | では、作楽お姉さまの望む格好良い大人姿は如何様な。 |
作楽 | 私は……「自分の言動に責任の持てる、夢追う大人」ですかね。 なんだか、ごちゃごちゃしてしまいました(汗) |
薔薇百合 | 「大人」に付きまとう言葉、「責任」が登場していますね。 |
作楽 | 個人的に大切だと思う事、なので。 |
薔薇百合 | さらに夢追う、と。 |
作楽 | だって、夢追う人って、格好良いじゃないですか。 でも夢を追って、周りを、自分をかえりみないのは、ただの「我侭」だと思うのです。 |
薔薇百合 | なるほど、それで「自分の言動に責任の持てる、夢追う大人」なわけですか。 |
作楽 | というか……個人的には、夢を追うこと自体が「我侭」かな。 |
作楽 | 自分の「我侭」に「責任」をもって行動できる、それが理想です。 |
薔薇百合 | 逆に言えば、自分の我侭に責任を持ててこその「大人」だと。 |
作楽 | そうです! 私の言いたい事が綺麗にまとまってる。 |
薔薇百合 | しかし責任が持てない大人もいるから、前に仰ったように大人にマイナスのイメージをも抱いてしまうのでしょうね。 |
作楽 | そうです。やると言ったならやれ!と。大人の「我侭」に振り回されたくはありません。 最も、私自身にもかなり当てはまってしまうのですけど。 |
薔薇百合 | そのあたりは、「なりたくない大人」として反面教師にしていくわけです。 |
作楽 | そうしたいものです。かなり難しいですけど。 |
薔薇百合 | 「なりたい大人」になれるのも随分先かもしませんしね。 ただ、少なくとも理想がある以上それに近づくことは可能です。 |
作楽 | 確かに。そうですね。少なくとも目指して頑張る事はできますし。 でも、こうして話してみると、「大人」と「子ども」の境界線もあやふやなような気がしてきました。 |
薔薇百合 | そのただでさえあやふやな境界線上にいるのだから、私らもさぞかしあやふやな状態なんでしょうね。 |
作楽 | けど、だからこそ、追える夢や見えるものがあるのでは? |
薔薇百合 | そういう捉え方もできますか。確かにそのとおり。 まあこのように、私らもそれぞれの考えを持ってそれぞれの矢印上を進んでいます。 その矢印の先こそが「なりたい大人」であり、理想です。 前述どおり、明確な境界線などないのに境界線上にある私ら。時間が経てば同じテーマでもまったく違う内容になるかもしれません。 |
作楽 | それは確かに。 それでも理想に向かって一歩でも近づく事はできると思うのです。 |
薔薇百合 | それこそが私らのような世代であります。 そしてその理想の名は「大人」。 誰もが通る道を語ったに過ぎないこの企画ですが、これは確かに私らの考えです。 |
作楽 | そんな私達がどんな理想を描いて、どんな道を歩むのか。大人になるって (……って、駄目だ。うまくまとまわらないわ) |
薔薇百合 | (あらあら。) |
作楽 | (こ、ここは薔薇百合さんに一任させていただきます) |
薔薇百合 | (任されました) |
作楽 | (よろしくお願いしますー) |
薔薇百合 | さて、閉店の時間が迫ってまいりました。 第三者からみれば稚拙な会話だったかもしれませんが、ここまでお付き合いくださって感謝します。 |
作楽 | ありがとうございます。 |
薔薇百合 | 最後に、今回のテーマを振り返り、訊きましょう。 「大人になるって、どうよ?」 |
薔薇百合 | 私は、楽しいです。大人になるにつれ、自分の成長を感じられるから。 |
作楽 | 同じく。私も楽しみです。また違った自分に出逢っていくことが。 |
薔薇百合 | では、今夜はこれまでとさせていただきます。 |
薔薇百合 | 御贈りしましたのは、薔薇百合菊梅と |
作楽 | 作楽遊希でしたー。 |
薔薇百合 | マスター、会計は出世払いさ――――いつか「大人」になったときにね。 |
作楽 | 「真剣十代しゃべりBar」これにて、閉店。 |
あとがき
作楽
終始、足をひっぱらせていただきました作楽です。
また、原稿をかなり遅くしてしまった原因は……私だったりします(汗)
それはさておき。最初はどうしようと思っていたのですが、やってみるとなかなか楽しかったです。
大人になるって、どうなんでしょう? 個人的には……うん。今のところ対談の内容通りです。
……え? 小説関係ない? それは触れてはいけないところ。
ではでは。お相手下さった薔薇百合さん、最後までお付き合い下さった貴方、ありがとうございましたー。
薔薇百合
頼まれましたのでリードしてみようと試みてみました。
さて、この対談を通して何か思うところがあれば嬉しいと思います。
本文でも言っていますが、このテーマの回答はきっと常に変わっていきます。しかしそれが変化したときはきっと私がまた一つ成長したときなのでしょうね。
では、素敵な作楽姉様とディスプレイの向こうの素敵な貴方がたへ感謝を送りつつ、また次の機会までサヨナラです。
…………ん、小説? ……………………バレないバレない。