熱戦七並べ
著者 黒島 宮城
「なんで私だけ勝てないんだ……」
もどかしさに震えた声は、中心に向かって奥行きが深くなる天井に呑みこまれ、空しく消えた。胡坐をかいていた黒島は、背後に手をつき、天を仰いでその天井を睨みつける。下唇を突き出して不満げな表情を作る、黒島の膝には投げ出された四枚のトランプが陣取っていた。
「黒島は駆け引きが下手なんだよ。七並べは駆け引きが大切なんだから」
声の方にむくと、薔薇百合菊梅がにたにたと笑っていた。実際には、手に握られたトランプで口元は覆われていたが、目尻の下がり具合といい、まず間違いない。
黒島は違う、と声を大にして言い訳をした。
「いや、それはわかるけどさ。八人でやってたら駆け引きもなにもないじゃん。多くても七枚しか手元にないんだ。どう考えても、運の要素が大きいよ」
「ふっ、そんなこと言ってるうちは一生勝てないぜ」
薔薇百合は鼻で笑うと、勝負の場に目を落とした。これ以上は、喋りかけるなという意思表示だった。
四度目のパスを宣言した黒島は、自分の手札を所定の位置に置くと、勝敗がつくまで暇になった。
こんなところまで来てなにをやっているんだろう。黒島は正当な感想を懐いていた。
合宿という名目の旅行にやってきたサークル「Rin」のメンバーが泊まるペンションは安さだけが売りの、いっそ清々しいほどなにもないところだった。近くに娯楽施設はなく、周囲を囲む森も鬱蒼としている上、背の高い木々に陽光を遮られ、とても森林浴を楽しめる状態ではない。仕方なく彼等はペンションの引きこもって遊んでいたのだが――
既に五時間に及んでいる七並べのみの対戦は、四十戦を超えていた。出だしこそ和やかなムードだったが、十戦目を数える頃から全員が真剣になり始め、今では殺伐とした雰囲気である。勝負中は殆んど会話が交わされず、勝負がつくと相手の腹を探るような言葉を交わし、また勝負に入り沈黙が場を制す。それの繰り返しだ。
手持ち無沙汰になった黒島は背後に目をやった。そこでは夢幻言霊と時雨司がレーシングゲームに熱中している。さすがに十人では多すぎて勝負にならない、と二人は遠慮したのだ。こんなに負けがこむなら自分もゲームを選択しておけば良かったと思う。
その気持ちが伝わったのか、夢幻が振り返り、時雨もそれに倣う。
「グッドラック」
二人は親指を立て、にやりと笑うとまたブラウン管テレビに戻った。黒島は口をへの字に曲げるほかなかった。
その時、柔らかな嬌声が響いた。
「うっふっふっふっ、あがったー!」
驚きと共に振り返る。ちょうど鏡柘榴が万歳をしながら最後の一枚を場に出しているところだった。
「また鏡さんの勝ちか」
黒島は呻くように呟き、男性陣が複雑そうな笑みをする。
「さすが鏡さん」唯一、素直に祝福の言葉を述べたのは鏡の隣に座る作楽遊希である。そして彼女も鏡に続いて手札をなくした。「わたしもあがりです」
黒島を含めた六人の男性陣の笑顔はさらに苦味を増した。
「鏡さんと作楽さんは強すぎですよ」
感嘆と呆れの入り混じった声で祭樹神輿が呻いた。その向かいに座る音桐奏もうんうん、と同意を示している。
祭樹の言う通りで、勝利数では鏡が他を引き離してトップを独走している。作楽がその追っているという状況だった。
「いつから七並べは女性に有利なゲームになったんだ」
悔しげに唸りながらも、薔薇百合はちゃっかりとあがる。
「まったくだ」
眉根を寄せた夏目陽が賛同を示す。
それから音桐と祭樹もあがり、朝霧夏樹の手元にジョーカーが残ってその勝負は終わった。現在の順位をそのまま反映した結果だった。
「私が勝ったの何回目?」
負けた黒島がトランプを切り始めると、鏡が音桐に尋ねた。他の面々も自分の勝ち星が気になるらしく、音桐に視線が集まる。勝敗を書いたメモ帳を手に取った音桐は、一呼吸溜めを置いてから読み上げていく。
「鏡さん十一勝。作楽さん九勝。薔薇百合さんは六勝で、夏目さんが五勝。僕と祭樹さんが四勝。朝霧さん二勝。最後に黒島さんは――」
音桐は語尾を濁して、メモから顔を上げた。
「言わなくてもいいです。皆、知っているでしょう」
目が合った黒島はうな垂れた。わざわざ数えるまでもないのだ。
そう、黒島は未だ一度も勝てていない。
どうしようもないほど運が悪いのだ。五十三枚のカードを八等分した六枚ないしは七枚の手札に、必ずエースかキングが混じっている。六や八が手札にあることは滅多になく、七に至っては一度も手札に来ていなかった。
「黒島は本当に弱いなー」
「勝手に自滅してくれるから警戒する必要がなくて、助かるけどね」
薔薇百合と夏目の皮肉が耳に痛い。彼等は明らかに自分で負けた憂さ晴らしをしていた。さすがに言われたままでは気が収まらないので、黒島は二人をキッと睨んだ。
「ゆ、油断すると、痛い目にあうぞ」
しかし、咄嗟に口をついてでた反論はあまりにも弱気だった。黒島は頭を抱えてしまう。隣の朝霧が優しく肩を叩いてくれた。
「黒島さん、頑張って」
「ありがとう。でも、朝霧さんもあんまり勝ててないんだから頑張って」
黒島と朝霧は目を合わせ、同じタイミングで嘆息した。
部屋の隅ではガスストーブが低い唸り声と共に、温風を吐き出し続けている。ちらりとストーブに目をやった黒島は切り終えたトランプを配り出した。
「夜も更けてきたし、あと何回かやったらお開きにしましょう」鏡の提案に、お茶を飲んだり雑談していた者達も顔を上げ、賛成した。「でも、終わるまでに一度は黒島さんを勝たせてあげたいわね」
鏡は頬に手を添えて、どうしようか、と作楽と向かい合って首を捻る。その心遣いに感謝しながら黒島は笑った。
「鏡さんが手をぬいてくれたらいいんですよ」
「それは無理」
笑みすら浮かべずに即答された。冗談半分だったとはいえ、落胆は隠しきれない。黒島はがっくりと肩を落とした。夏目と薔薇百合の方からくすくすと忍び笑いが聞こえて来る。カードを配る手を止めて耳を塞いだが、その行為すら空しかった。
開き直った黒島は素早く残りのトランプを配り終えた。それを見て、傍らのテーブルに用意されたお茶を飲んでいた音桐と祭樹が戻ってくる。
その面々を右から左まで見据えた黒島は真剣な表情で言った。
「あと五回ぐらいやったら勝てそうな気がするんです」
なんの根拠もなかったが、このままだらだらと勝つまで続けるよりも、期限を決めて集中する方が勝てそうな気がしたのだ。
「そう。じゃああと五回ね。勝っても負けても文句言いっこなし」
その時、多目的室の扉を開いてペンションの主人が顔を覗かせた。
「あのー、そろそろ私たちは寝なきゃいけないので、この部屋閉めたいんですけど、最後の勝負にしてもらえません?」
一瞬の間を挟み、多目的室は一人を除いて爆笑の渦に包まれた。
しめた!
不本意な形で残り一戦となり、早くも負けを予感し始めていた黒島の不安は手札を見た瞬間に吹き飛んだ。最後の最後で最高の手札が回ってきた。七枚の手札はそれぞれ、スペードの三、スペードのジャック、クローバーの十、ハートの六、ダイヤの五、ダイヤの七、ジョーカーである。ダイヤの七とジョーカーの力が特に大きかった。
「黒島さん、どうやらいい最後にいい手札が来たみたいですね」
「えっ?」
心を見透かしたような発言に危うく悲鳴を上げて飛び上がりそうになる。顔を上げると作楽が鋭い目でこちらを見ていた。黒島は自分の口元が緩んでいることに気づき、慌てて引き締める。しかし、もう遅いようだった。全ての視線がこちらに殺到している。全員が全員、作楽と同じどんな些細な変化も見逃すまいとする瞳をしていた。
ようやく、先程の薔薇百合の発言の真意を悟った。自分の手札に集中するあまり、周りが全く見えていなかったのだ。おそらく、カードが場に一枚出される度に一喜一憂していたに違いない。その表情から皆、自分がどんな柄のどんな数字を持っているのか読み取っていたのだ。
今更になって気づくとは……。黒島は思わず天井を仰いでしまった。
だが、と考え直す。同時に今まで負けていた理由がわかったのだから、チャンスでもある。ただちにポーカーフェイスを纏い、黒島は最後の勝負に臨んだ。
最後とあって、勝負が始まっても会話は止まらなかった。しかし会話の内容と違い、目は相変わらず誰も笑っていない。
四枚の七が場に出され、ダイヤの七を持っていた黒島から始まる。黒島が今出せるのはハートの六だけだったので、それを置く。
「黒島さん、今回は最初からパスじゃないんですね」
祭樹はそう言いながら、スペードの八を出した。口調に悪気はないのだが、負け続けてきた黒島には厭味に聞こえた。
「うう、祭樹さん酷い」
手で目を覆い、大袈裟に泣き真似をしてみせる。
「えっ? 俺なんか変なこと言った?」
「ただの被害妄想だから気にしない方がいいよ」
狼狽した祭樹を制しながら、夏目はクローバーの八を出した。
「夏目さん、ばらさないでくださいよ!」
夏目を睨んだが、彼は涼しい顔で受け流してしまった。
「よくわからないけど、まあいいや」
祭樹は下唇を突き出して肩を竦めると、前傾姿勢に戻り、また勝負へとのめりこんでいった。
試合は滞りなく、スムーズに進んでいく。鏡がクローバーの六、作楽がクローバーの五を続いて出し、薔薇百合が牽制しながらハートの八を置いた。
「今のところ順調だね」
微笑みながら音桐が手札から引いたのは、クローバーの四だった。同じ柄の九を人差し指と中指に挟んだ朝霧がそれに他人事のように応じる。
「一巡目は皆の出方を探ってるんじゃないですか?」
「というよりも黒島の出方が気になってるな」
「確かに。なんせこれだけやって一度も勝てないで終わるかもしれないんだからね」
うるさい外野を黙殺し、また巡ってきた自分の番で黒島はしばし思案する。
一巡して、場はクローバーだけが異様に広がっていた。今自分が出せるのはクローバーの十と、ジョーカーを使用してのダイヤの五の二通りである。どちらにするべきか、黒島は迷っていた。ジョーカーは使い勝手は良いが、後生大事に保管しておくと敗北となる、諸刃の剣だ。後半まで取っておくのは危険だが、早いうちから使うのも勿体無い。やはり十を出しておくべきだろうか。
いや――
今までの惨敗はポーカーフェイスも敗因の一つだが、それだけならば四十回やれば一度ぐらいは勝てるはずである。つまり、カードの使い方にも問題があったのだ。だからこそ、ここは保守姿勢は捨てて攻撃的に行こう。
「出せるカードがないなら見栄張ってないでパスしろよー」
「長考しても意味はないですよ」
囃したてる外野に対抗するように、黒島はジョーカーとダイヤの五を場に置いた。小さな動揺がメンバーに広がる。ジョーカーの最大の有用性は同時に二枚のカードを出すことだ。誰よりも早く手札を失くすことが目的の七並べにおいて、手札を二枚減らすことは大変大きい。ましてこの大人数では、特定の柄を堰き止めることは難しく、よって意図的に相手にパスさせるのも困難である。
つまり、ジョーカーを持つ者はかなり優位に立てるのだ。そのジョーカーが早々と、しかも黒島によって出されたので皆は困惑気味である。
「ダイヤの六は誰が持ってる?」
音桐が緊張を孕んだ声で訊いた。誰かが唾を飲み込む音が聞こえた。
「私です」
視界の端でなにかが動いたので驚いた。それは朝霧が遠慮がちに挙げた手だった。
「おお! 下位二人がジョーカーを手に入れた」
「面白くなってきたじゃない」
八人で描いた円の中に灯った興奮の炎に油を注がれて、一気に盛り上がる。
場のジョーカーとダイヤの六を交換する朝霧を横目で見やりながら、黒島は歓喜を抑えるのに必死だった。朝霧がジョーカーを手にしたことで、次はまたしても黒島の番になる。よって、クローバーの十を出すこともできた。積極的な戦法が功を奏した結果だった。
「あれ、黒島さんあと二枚じゃないですか」
祭樹が未だ五枚残る己の手札と見比べながら目を丸くしている。黒島は大声で威張り出したい気分だったが、慢心が足元をすくうのを怖れ、不敵に笑うことに留めた。
「ふふふ、今までの私とは違いますよ」
「いよいよ初勝利が現実味帯びてきたな」
内容とは裏腹に、薔薇百合の声色は悔しそうだった。最後は自分が有終の美を飾りたかったに違いない。それは彼一人に限った話ではなく、全員が同じ気持ちだろう。見渡してみると、ポーカーフェイスの面の隙間から微かに苦渋の色が見て取れる。
もちろん、まだ全員に勝機はある。しかし、残りの手札が五枚あるいは六枚の他メンバーに対して、二枚の黒島は圧倒的に勝利に近かった。
「こうなってくると、ますます勝ちたくなるわね」
動揺も波のように引いていった後、鏡がぽつりと言った。その不敵な一言に、半ば勝利を確信していた黒島も思わずたじろいだ。数秒前までの余裕が一気になくなり、焦燥に取って代わる。
「鏡さんが言うと、怖いな」
冗談めかしてはみたものの、疑いようのない本心だった。
さらに殺気を増して、勝負は再開される。祭樹がスペードの九、夏目がクローバーの三をそれぞれ出した。
「黒島さんはどのカードを持っているのかなー」
鏡は精神面から揺さぶりかけ、ダイヤの四を差し出した。作楽がハートの九で続く。テンポがだんだん速くなっていた。黒島には、皆が自分の思考時間を削ろうとしているように思えた。焦りは時間と共に膨れ上がっていく中で、薔薇百合がクローバーのジャック、音桐がスペードの六を出した。
黒島の手札に残っている二枚は共にスペードで十一と三である。今現在、スペードは九から六までしか出ていない。このままでは、パスしなくてはいけなかった。
朝霧さん、スペードの十を出してくれ! 心の底からそう願い、強く念じた。
「もう私の番ですか」
途惑いながら朝霧が、場に提出したのはハートの五だった。
「うう……、パス」
優勢はまだ揺るがなかったが、一度のパスが黒島を更なる不安の渦に飲み込んだ。色めきたった他のメンバーの表情が渦を大きくする。
「わからなくなってきましたね」
「黒島がこのままパス連続して負けたりするかもな」
その光景を想像してしまった黒島は、ポーカーフェイスを崩さずにはいられなかった。
しかし、悲観し始めた矢先に祭樹が助け舟を出してくれた。スペードの十である。
「祭樹さん、振り込んじゃだめだよー」
黒島の喜悦が満たされた表情を音桐は見逃していなかった。ハッとしてまた能面を被る。
「すいません。でも、これ以外になくて」
「そういう時は多少犠牲を腹ってもパスしなくちゃ。黒島さんに上がられちゃうよ」
まるで上がってはいけないような言い草だ。
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ! なんか皆で結託してませんか?」
「それはない」
「ない」
「ないですね」
「ありえませんよ」
「だって個人戦でしょ?」
「だいたいどうやって結託するんですか」
「根拠のない疑いはいけないなー」
満場一致で否定されると、反論のしようがない。だが、勝ち誇った皆の表情が黒島の正しさを証明していた。悔しさを残しながらも、黒島は気持ちを切り替える。
紆余曲折はあったものの、スペードのジャックを出す目途は立った。残すはスペードの三だけである。その一枚を出せば勝利が手に入ると思うと、どうしても気が逸る。スペードは現在六までしか出ていなかった。早く四まで出ることを願いながら戦況を見守る。
作楽のパスの他には大したこともなく、また一巡を終えた。クローバーがエースからキングまでの掛け渡しを終え、スペードは六のまま止まっていた。
「うーん、私の勝ちは難しくなりましたね」
作楽が肩を落とし、溜め息をついた。それを横目に黒島はスペードのジャックを出す。
「黒島さん、遂に残り一枚になったか」
「どうしても上がらせたくない」
「最後の一枚はどの柄の何番だろう」
「ダイヤか、スペードだと思うんだけど」
「皆……」
もはや隠すこともせず情報交換をしている。ここまで堂々と相談されると、怒る気も失せ、ただ呆れるばかりである。そこまでして、勝たせたくないのだろうか。悪いことをした覚えはないのに、なぜ目の敵にされるのかわからなかった。
全員の警戒心が強まる中で、祭樹がスペードの五を出した。
黒島は内心ガッツポーズを作った。しかし、その歓喜を面に出すような愚行はしない。カードを出す際に皆が自分の一挙手一投足に必要以上に気を払っているので、黒島は平静を装うのに細心の注意を払わなければいけなかった。
夏目がダイヤの三をおもむろに置いた。目を合わせないようにしたが、ちりちりと焦げる対抗意識を多分に感じる。
鏡は一度目、作楽は二度目のパスをした。薔薇百合は黒島の方を窺いながら、遊びとは思えないほど真剣に悩んでいた。
「こっちだ!」
薔薇百合が出したのは、スペードの四だった。
やった! 黒島は誰にもわからないように拳を握る。勝利のゴールテープは二歩手前まで近づいていた。自分の番が回ってくれば、その時点で勝ちである。
「うーん、パス」
音桐は唸ったあとそう言った。残り一歩。
四十二戦目にして初めての勝利。長かった。しかも、最後の勝負での勝利である。今までの惨敗記録を思い出すと感慨深い気持ちになり、涙さえ滲んできそうだった。
朝霧は逡巡の後、手札に手を掛ける。カードを出す行程が狂おしいまでにゆっくりと映った。二枚のカードが朝霧の手札から引かれた。
それはスペードの二とジョーカーで、ジョーカーをスペードの三の位置に――
「ぎゃああああああああ!」
口から女性のように甲高い悲鳴が漏れた。なにごとかと視線が集まる。黒島は胡坐から背後に倒れ、大の字になった。その際に手元からスペードの三が零れる。
「黒島さん、スペードの三だったんだ! あはははは! ジョーカーと交換しなきゃいけないから、最後にジョーカーが手元に残った黒島さんの負けだ!」
途端、多目的室一杯に笑気が爆発した。とことん運の悪い自分に黒島は寝転んだまま涙を一筋流した。
ドアから顔を覗かせている管理人は、困り果てていた。
「あのー、だからこの部屋閉めたいんですけど……」
あとがき