もうすぐいなくなるあなたへ。なによりもまず、おめでとう。
著者 薔薇百合 菊梅
少し肌寒い空の下で あなたのことを思います
傾く針を見つめながら あなたのことを思います。
あなたを思い 過去を思います
あなたを思い 未来を思います
時は音もなく進み 少しずつ気付かせる
過去のあなたと 未来のわたし
今のわたしと 今のあなたを
人は言います 運命と
あなたは言います 必然と
わたしは言います 恐ろしいと
あなたは言います きっと大丈夫
だから わたしは贈ります
もうすぐいなくなるあなたへ
おつかれさまです 疲れるのはこれからですね
さみしくなりますね わたしだけじゃないですね
これからもがんばってください がんばらないといけないのはわたしですね
いままでありがとうございました これからもわたしはあなたに会いたいです
どんなことばよりも わたしは贈ります
もうすぐいなくなるあなたへ なによりもまず
おめでとう
高い屋根の下であなたは わたしを思いますか
涙する友と一緒にあなたは わたしを思いますか
過去を想い 懐かしみますか
未来を想い 先を案じますか
時は無表情に進み あなたを消してしまう
わたしが思っても あなたが思っても
今このときを 涙で騙して
教えてくれた 人の糸
伝えてくれた その心
みつけてくれた わたしの居場所
居てくれた わたしのそばに
だから わたしは祈ります
もうすぐいなくなるあなたを
すすんでください わたしに背を明日に目を向けて
きいていてください わたしが祈り唄う歌
なみだをこぼさないでください その綺麗な顔で笑っていてください
うしろをふりかえらないでください 過去は遠いいつの日か想い出すものです
どんなことがあっても わたしは祈ります
もうすぐいなくなるあなたを だれよりつよく
いつまでも
だから わたしは贈ります
もうすぐいなくなるあなたへ
おつかれさまです そんなありきたりなねぎらいよりも
さみしくなりますね そんな弱音よりも
これからもがんばってください そんな単純で小さな激励よりも
いままでありがとうございました 海より深く星より大きな感謝よりも
どんなことばよりも わたしは贈ります
もうすぐいなくなるあなたへ なによりもまず
おめでとう
あなたはただ笑って ありがとうと
言ってください
あとがき
遅れましたが、詩です。歌っぽくしたかったので長くなりました。「あなた」と「私」を少女同士にイメージしてくれると、嬉しいです。